top of page

​(本コースは終了済です)

シンガポール司法試験(Foreign Practitioner Examination)受験準備コース

 

 

ご注意:このページは主宰者のFPEについての現状の理解に基づいていますが、その理解が適切かどうか、FPE制度が実際にどう運営されているかの検証は出来ておらず、各位ご自身による確認をお願いします。主宰者及び同人の所属団体はこのページ記載内容について責を負いません。

 

(1) FPEについて

 

シンガポール国の弁護士は正式にはAdvocate and Solicitor of Suppreme Courtと呼ばれ、その資格取得は同国のLegal Profession Act (Chapter 161)に規定されていますが、同法はこれに加えて、所定の登録要件を満たした外国弁護士(Foreign Lawyer)に下記のビジネス・ローに限定して同国法のプラクティスを認める制度を2年前に導入しました(同法第130条I(3)項)。

 

その登録の要件はLegal Profession (International Services) Rules 2008と呼ばれる規則の第20条に定められ、その主要なものは以下の通りです。(詳細はご自身でお調べください。)

 

① 3年間以上の執務経験があること("has been engaged in relevant legal practice or

    work, in Singapore or elsewhere ..."(シンガポール国外での期間を含みますが、

  留学・司法修習の期間は含みません)。

② Foreign Practioner Examination (FPE)と呼ばれる試験合格から5年以内であること。

③ 同国の法律事務所(含む外資系事務所、外資系事務所とのJV)で執務すること

 (よって個人としてのみの登録は出来ません)。

 

また、プラクティスできる範囲については、同規則3条にネガティヴ・リストがあり、憲法・行政法、不動産所有権移転、刑法(但し、これら三分野については企業体への商事・企業法務提供が主目的の場合は許される)、家族法、相続法、信託法の内自然人の信託、法廷での代理人としての活動が除外されており、よって(母国法に加えて)上記以外の商事法務全般でシンガポール法もプラクティスすることが許されます。

 

(2) FPE試験の受験資格

 

FPE試験の受験資格はLegal Profession (Foreign Practioner Examinations) Rules 22011と呼ばれる試験規則に改めて規定され、その第4条(3)で、上記①に関連して受験申込日から遡る直近5年間の範囲内で合計3年以上としています。(受験申込に際してその3年間にわたる経験の証明書の提出が必要です。)

 

また上記①~③に加え、④既に同国で外国弁護士としてプラクティスしているか、或いは、同国の法律事務所から就業の内定を得ていること(FPE試験の合格を条件とすることを得る)を定めています。

 

"has received a job offer to practise in Singapore as a foreign lawyer in a Joint Law Venture, Qualifying Foreign Law Practice, lisensed foreign law practice or Singapore law practice (being a job offer which may, but need not, be contingent on him passing the Examination)"

 

この試験規則はLegal Profession Actに基づいて制定された法令ですが、下記の定義がそのActに見受けられます。

 

“Joint Law Venture” means a Joint Law Venture licensed under section 130B;

“Qualifying Foreign Law Practice”means a foreign law practice licensed under section 130D;

“licensed foreign law practice”means a foreign law practice licensed under section 130E;

“Singapore law practice”means — (a) the practice of a solicitor who practises on his own account; (b) a firm of solicitors; (c) a limited liability law partnership; or (d) a law corporation;

 

そのjob offerに記載されるべき内容の定めは同規則にはありませんが、受験申込に際してはjob offerの写しを提出し審査を受けることとなります。(登録の要件③でFPE合格から5年以内とされていることから、合格後すぐ登録する必要はなく、また④の内定先は登録申請の際の就業先と同一である必要はないと思料されます。)

 

よって個人として受験し、個人に法曹資格が付与される米国等他国の制度と比較して属地性が強く、シンガポールとの繋がりを持たない人にはこの受験資格を満たすことは困難と思われます。またシンガポール在住でない人は、FPEに合格して外国弁護士登録をした上で、別途就業許可の申請を行うことになります。

 

他方、同国は既に法律の世界に於けるアジアの中心地となっており、その比較優位は今後も進むものと思われ、また司法修習期間が不要であることから、シンガポールとの繋がりを持つ方には国際法務キャリア・アップに向けて魅力的なルートと言えます。(受験資格要件を満たしているかについてはご自身でお調べください。)

 

(3) FPE試験の特徴

 

FPE試験の要領は各回その実施ガイドが発表されますが、これまで開催された二回の試験から見るにその特徴として、①過去問が公表されていないこと、②法令、教科書、ノート、等の紙ベースとラップトップ・タブレット1台(但しネット接続は不可)の持ち込みが許されるopen book examであること、③職業倫理科目は論述のみで、他の3科目は短答と論述の両方であること、④口頭試験は無いこと、⑤この本をマスターすればこの科目については必要かつ十分という教材が必ずしも揃っていないこと、⑥合格後の司法修習が不要であることもあり、学究的な論点よりは実務的な知識が重視されること、があげられます。

 

よって細かな知識を丸暗記する必要はありませんが、①各分野での押さえておくべきポイントは覚えておき、②必要に応じて自分が持ち込んだリソースに素早くアクセスして答案に含めるべき内容を取り出し、③それを課題にあてはめた論述の答案を限られた時間でアウトプットするスキル、が必要です。(論述は試験会場の各自用のPC、キーボード、マウスを使用してMSワードで答案を作ります。)

 

受験勉強に必要な時間は大きな個人差があることでしょう。1年かけて準備すべきという声も耳にしましたが、それ以下の準備で合格した人もいます。私見ながら、平日に学習の時間を取れない人は土日の少なくとも片方は費やし、直前の2か月にはまとまった時間を割くことが必要と思われます。また試験はシンガポールで11日間に亘って4回に分けて開催されますので、お勤めの方は職場の理解と支援も必要と思われます。

 

(4) FPE受験準備コースについて

 

例年通りであれば来年の試験の日程・科目等は今年の8月頃に発表となり、その内容が前回と同一である保証はありませんがその発表を待っていては間に合わないので、前回の実施要領に沿って主宰者がどのように受験準備したかを月1回のペースで各科目毎に学習方法をご案内します。

 

、その内容はシンガポールの法律を一般的に勉強するものではなく、来年の試験で合格することを目指した実戦的なものである点ご留意ください。

 

参加形態は(1)対面授業とビデオ会議参加の少人数の「ライブ参加会員」と、(2)その様子を録画したものを(非公開)YouTubeで事後視聴する「事後視聴会員」からなります。

 

いずれも途中退会可能で、その場合参加費前払分は返却しますが、残りの参加者人数が下記の最小催行人数を下回った場合にはコースそのものの中止もあり得ます。

 

ライブ参加会員

 

ライブ参加会員の授業の日時は月に一度のペースで毎回参加者と主催者の都合に合わせて設定します。

 

先着順でお受けし最小催行人数(4名)に達し次第初回の日程調整に入ります。所定の授業日に参加できない方はその回については「事後視聴会員」となって頂き、参加費の差額を返金します。

 

ビデオ参加は当センターがWebExを使用して主催し、参加者は高速ネット環境とパソコン・タブレット・スマホ(Windows, iOS, Android)が必要ですが、WebExのアカウント取得は不要です。また主宰者の仕事繰りの関係から全員ビデオ会議となることもあり得ます。

 

加えて授業日とは別に日に模擬試験を各自で受ける機会を提供し(下記の「ライブ参加会員」限定)、来年の合格を目指します。各回の模擬試験は論述1問で1時間、但し最終回(第8回)は4問で3時間の設定です。

 

事後視聴会員

 

事後視聴会員はアップロード後12か月間随時視聴出来、視聴回数制限はありません。定員はありませんが最小催行人数は10名です。途中入会可能ですが、その場合は初回からの参加費をお支払いただきます。

 

事後視聴会員には各回模擬試験の試験問題をお知らせしますが、模擬試験への参加・答案提出はできません。またライブ参加会員の最終回(第8回)は模擬試験となり、その模様の録画とその問題のお届けはありません。(事後視聴会員は第7回までとなります。)

 

英文チャット・ルーム(任意参加)

 

ライブ参加会員・事後視聴会員の希望者はサイボウズ・ライブの専用サイトでFPE受験準備に関する英語のチャットに随時参加できます。兎に角英語で素早く返信することをお互いに練習しあい、本番でのアウトプット力の強化につなげることが狙いです。(主宰者による管理はありません。)

 

参加費、お申込み・お問い合わせ

 

参加費は添付のご案内書をご参照ください。尚、コースの進行の状況に合わせて進め方・ご案内文書・このHP記載内容に変更があり得ることをお含み置きください。

 

お申込み、お問い合わせは info@tiltrac.org までお寄せください。

 

 

参考資料

司法試験(FPE)施行規則

(その後の改訂・変更の有無はご自身でお調べください)

Singapore Institute of Legal Education(SILE) FQA

2014年度(2015年1月実施)試験開催ガイド

2014年度(2015年1月実施)受験申込願書

2014年度(2015年1月実施)試験実施規則

2014年度(2015年1月実施)受験科目シラバス最終版

bottom of page